一歩踏み出したところで祖母に腕を掴まれて動きを止めた。


ヒトミの体はもう半分くらい水に沈んでしまい、ズブズブと沈み続けている。

「これでいいんだよ。これで、あの子は明日戻ってくるんだから」


祖母は落ち着き、満足した声色でそう呟いたのだった。