僕は自分の心臓が早鐘を打ち始めていることに気がついた。


空調のきいた室内にいるのに、背中を汗が流れていく。


これほど大喜びするなんて思っていなかった。


ただ、玄関に花が飾られただけなのに。


それとも、もしかして復活祭っていうのは本当に……?


そんな、まさかそんなことあるはずない。


死者が蘇るなんてそんなこと……。


それでも早鐘は止まらない。


もしかして自分はとんでもないことをしてしまったのではないかと思い、顔を上げていることもできなくなった。


そしてうつむいた時、後ろから肩を叩かれて飛び上がるほどに驚いた。


振り向くとユウジくんが立っていて、人差し指を立てて唇に当てている。


『なにも言うな。誰にも言うな』


そんな威圧感がひしひしと伝わってきたのだった。