復活の村

そう言うとヒトミは笑顔で頷いた。


しかし、すぐにその表情は真剣なものに変わった。


「ただ、うちの村にはホテルがないの。商店も、昔は小さなのがあったんだけど今はなくなっちゃったの」


「そっか。でもそのくらいは想定内だよ」


ヒトミの地元へ行くと聞いたときから、実家に来てほしいと言っているのだと気がついていたし。


「私の家族に会ってくれる?」


「もちろん」


いずれヒトミの家族にはちゃんと挨拶をするつもりでいた。


それが、少し唐突に訪れただけだ。


「よかった」


ヒトミはホッとしたように息を吐き出して、ようやく緊張のとけた笑顔を見せたのだった。