確かに、ヒトミは今年死んだ人の1人だから復活に選ばれる可能性はある。


だけど、僕は左右に首を振った。


「僕はそんな祭り信じてないんだよ。死者が蘇る祭りなんて」


そんなものがあったら幸せだろうと思う。


どれだけ救われることだろうかと思う。


だけど現実を見なきゃいけない。


ヒトミは死んでしまったのだ。


もう二度と蘇ることなんてない。


ゲームや漫画の世界じゃないのだから、それは当然のことだった。


僕は荷物を持って立ち上がる。


「逃げるの?」


「逃げるんじゃない。帰るんだ」