復活の村

実家に来てほしいというお願いだと思っていたのが、思わぬ好奇心をくすぐられた。


「村に伝わるお祭りなんだけどね、100年に1度しかないの。とても珍しいお祭りだから、ケイタも来ないかなって思ったの」


「へぇ、それは興味深いね」


僕はすっかり氷の溶けてしまったミックスジュースに口をつける。


ミックスジュースの甘ったるさは消えさり、水っぽくなってしまっていた。


「ヒトミの実家ってどのへんだっけ?」


質問すると東北に位置する秘境だということがわかった。


ヒトミに初めて出会った時やけに肌の白い子だと思っていたけれど、その裏は豪雪地帯にあるらしく、夏でもあまり太陽の光が差さないのだとわかった。


ヒトミの透き通るような肌はそういう場所での暮らしのおかげで出来上がったものらしい。


スキー合宿でのヒトミも、先輩を差し置いて誰よりも上手だった。


「それは面白そうだね。ぜひ行ってみたいな」