復活の村

スマホを操作する長い指先がキレイで、うっとりと見とれてしまう。


こんな子が自分の彼女になってくれたなら、どれだけ幸せな大学生活を送ることができるだろう。


『それじゃ。送っていただいてありがとうございました』


番号交換を済ませて駅まできた時、ヒトミは律儀に頭を下げてきた。


それを見たとき、あぁこれは本気になるかもしれないと思った。


遊びの付き合いじゃない。


本気でヒトミと付き合いたい。


ヒトミを知りたいと心から思った。


それから5年。


僕らは付き合って5年目になる。


「それって、つまり」


僕は目の前で頬を赤らめているヒトミに聞く。


ヒトミは僕の言葉を最後まで聞くより先に「ひゃ、100年に1度のお祭りがあるの!」と、無駄に大きな声で言った。


「100年に1度のお祭り?」