眉間にシワを寄せて視線をさまよわせた。


「復活祭で使う池があるって行ってただろう? それを見てみたいな」


小川にもとてもキレイな水が流れていた。


だから森の中の池もきっと透き通る美しい池なのだろうと思ったのだ。


しかしヒトミの顔は浮かなかった。


「別に珍しい池じゃないよ? どこにでもあるような池だし、見てもつまらないかも」


あれだけ村の案内をしたがっていたのに急にどうしたんだろう?


「そっか。それでも、他に見て回るところって少ないんじゃないか?」


せっかく外へ出ても神社だけ見て帰ってくることになりそうだ。


僕はヒトミともう少し長い時間2人きりになりたかった。


そんな僕の気持ちを見透かしたかのようにヒトミは頬をピンク色に染めた。


さっきまでの浮かない表情は少しだけ晴れて「わかった」と、頷いてくれたのだった。