事件が一通り片付いた翌朝、僕は大きな荷物を持って玄関先に立っていた。


「親戚の家に行くことにしたよ。隣町だからここからも近いし、学校も近くなるんだ」


ユウジくんは笑顔で答える。


しかしその笑顔にはやはり影が隠れていた。


僕もユウジくんも今回のことに関してはいつまでも苛まれるだろうという予感がしていた。


家族みんなを巻き込んで犠牲にして、それでも生き残ってしまった僕たち2人だ。


悩み苦しみ、ときには発狂しながらも今回のことをこの村に言い伝えていかないといけない。


それが、僕たちの義務だった。