夜の村を見回っていたという神主さんは快く僕らを家の中に通してくれた。


家の外観と違って室内は洋室しかなく、通された部屋には重厚感のある立派なソファと大理石のテーブルが置かれていた。


「それで、こんな夜にどうしたんですか?」


神主さんは袴姿のままで僕たちに紅茶を出してくれた。


だけどそれをのんびり飲んでいる暇はない。


こうしている間にもヒトミはなにをしでかしているのかわからないのだ。


僕はチラリと横に座っているユウジくんへ視線を向けた。


ここまで来たものの、神主さんに話す勇気はまだ持っていなかったようで、ジッとうつむいてしまっている。


その顔は真っ青で、とてもまかせておける状態ではなかった。


「実は、僕たちは大変なことをしてしまったんです」


僕はユウジくんに変わって話し始めた。


僕はこの村の人間ではないから、ユウジくんよりも冷静に説明をすることができる。