不意にヒトミの両手が伸びてきて、祖母の細い首に絡みついたのだ。


咄嗟に首を振ってその手を払おうとする。


しかしヒトミの両手はしっかりと首に食い込んで、ギリギリと締め上げる。


あまらずヒトミを背中から振り落として、大きく咳き込んだ。


息を吸い込み、逃げ出そうとする体をヒトミが馬乗りになって引き止めた。


「やめないか!」


悲痛な叫び声は途中で途絶えた。


ヒトミが祖母の首元に噛みつき、その肉を引きちぎったのだ。


喉に穴が空き、血がほとばしる。


祖母は目を見開いてどのからひゅーひゅーと風の音を鳴らした。


ヒトミはもう1度祖母の喉に噛み付いて肉を引きちぎると、祖母の目からは生気が失われていったのだった。