復活の村

松の枝は立派に伸びて、その下には鯉が泳ぐ池がある。


おいおいおい、まじかよ。


つーっと背中に汗が流れていく。


こんな大豪邸の娘だなんて知らなかった。


今から家族に会うのだと思うと緊張で心臓が破裂してしまいそうだ。


「ただいまぁ」


そんな僕の気持ちを知ってか知らずか、ヒトミは間の抜けた声を上げながら玄関扉を開いた。


ガラガラと音を立てて玄関が開くとそこには広い土間があった。


土間だけで6畳くらいはありそうで、右手にはソファまで置かれている。


日本家屋にも似合うように焦げ茶色をした、重厚感のあるものだった。