「できたわよ」


30分ほどで人数分のオムライスができあがり、テーブルに並べられた。


家族で食卓についている間も沈黙が多かった。


みんなヒトミの行動を気にしていて、気が気ではない。


祖母はなにも言わないけれど、ユウジくんを見るときの目つきは鋭いままだ。


ユウジくんはそんな祖母から逃れるようにオムライスをかきこみ、すぐに自室へ逃げていってしまった。


これじゃユウジくんとゆっくり話せるのがいつになるかわからない。


ため息をつきつつ味気ない夕食を終えると、僕が1人で洗い物を受け持った。


「ケイタ、先にお風呂に入ってくるね」


洗い物を片付けていたときにヒトミがそう声をかけてきた。


手にはピンク色のパジャマを持っていて、それは去年僕がヒトミの誕生日にプレゼントしたものだった。


ヒトミはそれを愛用してくれている。