「私、ここで死んだんじゃない?」


ゾクリと背筋が寒くなった。


なにも答えられない。


心臓が早鐘を打ち始めて、うまく息を吸い込むことができない。


僕は目を見開いて隣のヒトミを見つめた。


どうしてそれを知っている?


池に落ちたときの記憶が残っているのか?


僕は答えられない。


ドッドッドッと心臓がうるさいほどに高鳴っていて、それがヒトミにバレてしまいそうで視線を外した。


「もう帰ろう」


僕が歩き出すとヒトミもついて歩き出した。


ホッとしながらも、全身に冷や汗が流れ続けていたのだった。