おずおずとした様子で言い、部屋に入ってくる。


僕はユウジくんのために押し入れから座布団を出した。


「かしこまってどうかしたのか?」


僕は座布団に座らずにその場にあぐらをかいた。


「あのさ、この村にはまだ言い伝えがあってさ」


今まさにそういう事を考えていた僕は身を乗り出した。


「それってどういうもの?」


「あの、祭りのことなんだけど」


そう言われて少し拍子抜けしてしまいそうになった。


できれば祭りとは関係のない伝承を聞いてみたかったのだ。


けれど、こうしてわざわざ話に来たということは、死者を蘇らせる以外にあの祭りにはなにかあるということで間違いない。