それから帰宅したヒトミはいつもどおり母親や祖母と一緒に料理に性を出した。


僕に正式にプロポーズされたことを言ったのかどうかはわからない。


今ならヒトミのことをとても大切にできる気がした。


昨日には失ってしまったと思っていた命が、今日には戻ってきたのだから。


この不思議な村にはまだまだ沢山の歴史や伝承が残っていそうだ。


客間から外の景色をぼんやりと眺めていたら、ノックオンがしてふすまが開いた。


立っていたのはユウジくんだ。

「ユウジくん」


僕はすでにこの高校生のことを自分の弟以上の存在だと感じていた。


ユウジくんが僕を誘ってくれなければ、ヒトミが戻ってくることもなかった。


心の友。


そう言っても過言ではないかもしれない。


「あのさ、ちょっと相談があるんだ」