いつからだろう?
父さんたちが帰ってこなくなったのは。
2人が不倫してるのは知ってる。
それでも、私は信じたい。
2人を。
「ふわぁぁーよく寝た」
「本当、よく寝てたね」
授業が終わりあくびしてると、愛美が声をかけてきた。
「いやっだってさ……」
「昨日も"仕事"だったの?」
「うん。ちょっと手ごわくてさぁ……」
私は陰陽師でときたま、おばあちゃんに頼まれて仕事してるの。
昨日みたいに夜中までかかる時もあるけどね。
「もう、仕方ないなぁ!さっき宿題出されたよ」
愛美はややあきれ気味に言ってきた。
「えっ……」
「だからぁー!宿題!鎌倉時代についてのレポートを提出。ただし、源義経と源頼朝のことを必ず書くことだって」
「えぇー!?私、歴史苦手なのにぃー」
「まぁまぁ、明日から3連休だし、ちゃっちゃっとしちゃいなよ」
「あー明日から3連休なんだ。じゃあ暇だな」
「明里ちゃん……」
最近、天后忙しそうであまりいないしな。
どうしよう。
「おーい!水城!3連休暇ならデートしてやるぜ?」
「遠慮しとく」
また悠太か。
この男子は、篠宮悠太。
昔からの知り合いで、よく私に話しかけてくる。
「即答かよっ!つうか、返事早っ!」
「何で彼氏でもない男とデートしなきゃいけないのさ」
「いや、そ、それは……」
全く!
ゆうもきちんと言えばいいのに。
「じゃあね!ゆう」
「バイバイ。ゆーくん」
私はゆうを無視して帰っていく。