なのに、可哀想? 理解ができない。 だけど、恋は良いものだと語るあの表情が、俺を冷えた目で睨みつけたあの視線が、言葉が、どうしようもなく心を抉ってくる。 感じたことのない、甘い痛みだ。 ふわふわと足取りがおぼつかなくなる、酩酊している感覚。 「また会いてー。……話したい」 無意識に素直な言葉が溢れ、口元を手で覆う。 ああ、そうか。そうだ。 また会いたいんだ、あの子に、俺は。 ***