角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。


「ほんと、ですか?」

「うん。なんか甘さとかしっとり感とか瑠衣の作るお菓子、どれも俺好みなんだよな」


お菓子が先輩好み……かぁ。そんなこと言ってもらえると嬉しいな。


「そ、そんなに褒めてもらえると作った甲斐があります……」


嬉しくなって頬が緩みそうになる。


パクパクと食べ進めて、三口くらいでひとつ食べ終える。


「先輩ってほんとに甘党なんですね」

「ん? ああ、まぁな。こうやって糖分取らなきゃ次の授業やべーの」

「やばい……とは?」

「授業に集中できないっつーこと。だから俺にとって甘いお菓子は必需品」


授業に集中できないって、まだ二限目が終わったばかりだけど……残りの授業大丈夫なのかなぁ。


「じゃあ今まではどうしてたんですか?」

「朝コンビニ寄って甘いの買ってきたり昼に購買で甘いパン買ったり。でも、放課後になると糖分が切れるんだよなぁ」


そんなにすぐ糖分切れちゃうんだ……。


「え、じゃあ、あの日って……」