角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。


みんなから見て私も先輩に好意があると思われているのかなぁ。

でも私は、お菓子をあげるだけの関係だから……。


「平野先輩のことは、先輩としか見てないというか……うん、ほんとにそれだけです」


だからどうか心配しないでください。


「えっ、先輩のこと見て何とも思わないの?!」


ちゃんと答えたはずなのに、なぜか不満そうなクラスメイトたち。


えっ、私、言葉選び間違っちゃったのかな?!


「いや、あの……人としてはすごく魅力的だと思う。すごく、かっこいいし……うん、ほんとにそう思ってます」


みんなの顔色を伺いながら、慎重に言葉を選ぶ。


「だよねぇ、やっぱり平野先輩かっこいいんだよね!!」

「うんうん! そーなの。先輩、すっごいイケメンで、アイドルみたいだよねー!」


どうやら今のが正解みたい……? でも、怒らせないでよかった……。


「楠木さんっ、みんなで詰め寄っちゃってごめんね! 楠木さん可愛いから抜け駆けするんじゃないかって心配だったけど、でも何とも思ってないみたいで安心した!」