そのあと教室に帰ると、クラスメイトに詰め寄られた。
「ねえねえっ、平野先輩とはどういう関係なの?」
えっ、どういう関係って……。
「せ、先輩と後輩だよ……?」
「ほんとに?」
「う、うん」
みんなにはどういうふうに見えているんだろう……。
「じゃあなんで先輩が楠木さんを呼んだの?」
なんて説明したらいいのかな。寝てるところに偶然……いやそれはちょっと変な誤解を生んでしまいそう……。
「ちょっと、人助けをしたというか……」
あれは、一応そういうことになるよね、うん。
「じゃあ楠木さんは平野先輩の何なの?」
無数の質問を向けられた。
「……だから、その、ただの後輩で……」
それらには興味と嫉妬が入り混じっているようで、ひとつでも言葉選びを間違ってしまえば私の命取りとなる。
「じゃあさっ、楠木さんは、平野先輩のことどう思ってるの?!」
「え、どうって……」
「恋として好きなのか、それともただの憧れなのか!」



