「……え、まじで?」
先輩は、ぽかんとした表情を浮かべる。
あれ、もしかして選択を間違えちゃったかな……?
「は、はい。あのっ、ほんとに、先輩がよければですけど……」
しゅるしゅると勇気はしぼんで自信がなくなると、
「食う。つーか、食わせて」
先輩が私の勇気を拾い上げてくれる。
「瑠衣の作るお菓子すげーうまいから、瑠衣がそう言ってくれてほんと嬉しい」
先輩がお菓子を“おいしい”って言ってくれるだけで、この選択は間違いじゃなかったんだって思う。
「よ、よかった……です」
だから私は、素直に嬉しくなった。
やっぱりこの選択にして、よかったぁ……。
「そうだ。連絡先交換しよ」
「えっ……?」
「だって瑠衣がお菓子作ったときとか俺知らないと迎え行けないし、食べれないし」
先輩の頭の中には、お菓子のことでいっぱいみたいで少しだけ可愛いと思ってしまう。



