角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。


また作りたい、って思っちゃうなんて私おかしいよ。


「……平野先輩は、甘いものが好きなんですか?」


控えめに尋ねてみれば、


「うん、好き」


と、先輩に即答された。


よっぽど先輩は、甘いものが好きなんだ。


「俺、甘いものに目がなくて。毎日でも食べたいくらいすげー甘党なんだよね」


先輩、すごくクールで見た目は甘いものなんて食べなさそうなのに……。


“超”がつく甘党なんだ。

みんな先輩のこんな一面知ってるのかな。


「先輩が、甘党なこと、みんな知ってるんですか?」

「女子にバレたら面倒なことになりそうで言ってない。瑠衣にだけ特別」


特別って……。そんなこと言われたらもう答えなんて決まっちゃう。


「せ、先輩がよければ、ですけど、これからもたまにお菓子作りますよ……」


こんなことを言うのは、こんな選択をするのは間違っているのかもしれないのに、かっこよくて人気者の先輩にお世辞でも“特別”なんてこと言われたら、舞い上がってしまう。