角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。


「こんなうまいお菓子作れるなんて、瑠衣の手はまるで神の手だな」


先輩、ずっとお菓子褒めてくれる。


子どもの頃から褒められることが好きだった。

褒められたらどんなことでも頑張れた。

もしかして……先輩、私が褒められたらすごく伸びるタイプだって知ってたりするのかな。


「ほんと、うますぎ」


“うまいうまい”と言って食べてくれる先輩。


「……ありがとう、ございます」

「なんで瑠衣が感謝すんの?」


お礼言うの、おかしかったのかな。

私は、すごく嬉しかったから思わず口からついて出ちゃったけど……。


「おいしいって言ってもらえると、すごく嬉しくて……それにそんなに喜んでもらえるなんて思ってなかったから、すごく、作った甲斐があるなぁと思ったので……」


私ってば、なに言ってるんだろう……。

さっきはいきなり先輩が教室に来てみんなを驚かせてしまった上に、目立つことにもなって、だからあんなにお菓子あげるのを断ろうと思っていたのに……。