「いや、そうはいかない。まぁ、そのときは俺が頑張ればいーか」
先輩が頑張っちゃったら私……いつまで経っても先輩に追いつくことができなくなる。
ううんっ、だったら先輩の倍頑張ればきっと……いつか先輩の隣に堂々と立っていられるようになるよね?
「瑠衣、誓いのキスしようか」
「へっ……?」
「今、お互い誓い合ったわけだし。そのあとは……当然キスだろ?」
誓いのキスだなんて……それってもしかして結婚式のときにするあれのことだよね。
でも、私たちはまだ高校生なのに……。
「瑠衣は、俺とキスしたくねーの?」
親指で、私の唇を優しくなぞる。
何度も何度も、這うように、ゆっくりと魔法をかける。
「……したい、です」
先輩とのキスは、すごく幸せな気持ちになる。
「ん、よかった」
そうしたら先輩は、幸せそうな表情を浮かべた。
私……先輩のことすごく好き……。
「瑠衣」
優しく名前を呼んだ、それが合図で。
私は、ゆっくりと目を閉じる。
そして、落ちてきた温かい感触。
──好きと、幸せが、両方流れ込んでくるみたいで。



