角砂糖より甘い先輩の溺愛は、今日も止まらない。


「せ、せんぱい……?」


もしかして嫌だった……のかな。


「瑠衣、なんでそんな可愛いんだよ」

「えっ……」

「俺ばっか瑠衣のこと好きになっちゃうじゃん」


顔を上げた先輩は、真っ直ぐ私を見つめる。

綺麗な瞳とぶつかって、どきっと胸が鳴る。


でも、“俺ばっか”ってのは違うよ……。


「……私も、です」

「え?」

「私も……先輩のことどんどん好きになっちゃって……このままいけば私の好きの方が先輩を追い越しちゃうんじゃないかなって」


好きに、上限なんかない。

きっと底なし沼のようで、どんどん深く落ちていく。


「それはない。俺の方が絶対好きだから」

「わっ、私の方が先輩のこと、好きです……!」

「俺は瑠衣の数千倍」

「じゃあ私は、先輩のさらにその倍ですっ」


どんぐりの背比べのような攻防が、しばらく続いたあと、どちらかともなくフッと笑みを漏らした。