先輩は、クールですごくかっこいいと人気者だけど。
私の前では、お砂糖よりも甘くて。
「ふふっ」
「なに?」
「先輩、すごく噂とは違うなぁと、思ったので……」
後ろから「噂?」と困惑する声が漏れるから、つばきちゃんに聞いた噂を説明する。
「瑠衣は、どっちが好き?」
「へっ……?
“どっちが好き”……?
それって、クールな先輩か甘い先輩ってことだよね。
どちらかひとつなんて、決められない。
「みんなの前ではクールな先輩も、私にだけ見せてくれる甘い先輩も、どちらも好きですよ」
だって、どちらも私が好きになった先輩だから。
「ほんとに?」
「は、はい、ほんとですっ!」
こんなことはじめて言うから、すごく恥ずかしくて顔がボボっと熱くなる。
「そんなこと言われたら、ますます甘やかしたくなるんだけど」
きゅっと抱きしめたあと、手を緩めた先輩。
そのまま私を解放して。



