「先輩は、そんなこと、しません」
今までだって私のことを優先してくれたんだもん。
「俺、よっぽど信頼されてんだな」
先輩は、嬉しそうに口角を上げた。
「とにかく今のは冗談だから、瑠衣早く風呂入っておいで」
「で、でも……」
それじゃあ先輩が……。
「あとで瑠衣にたくさんキスしてもらうから心配ない」
へっ、キス……?!
「先輩、それは……っ」
「いってらっしゃい」
先輩に背中を押されて、浴室に入った私。
ぴしゃりと閉まったドア。
ここで、先輩がいつもお風呂に……
ううっ……私ってばなにを考えているの、もうっ……!
と、とにかく、今は早く浴衣を脱いでお風呂に入らなきゃ先輩が風邪引いちゃう……!
雨に濡れたせいで、べったりと肌にくっついている浴衣は少し脱ぎにくかった。
「人のおうちでお風呂に入るなんて、なんか落ち着かない……」
すごくどきどきしていた。
落ちる水滴の音でさえも、私を驚かす。



