『お姉ちゃんも今日は大学のお友達の家に泊まるんですって。お父さんも今日は夜勤だから、瑠衣一人でも大丈夫?って聞いたら大丈夫って言ってたわよ』
「う、うそっ……」
私、そんな大事なことを上の空で返事しちゃったのかな。
だからお母さん、今日いなかったんだ。
『とにかくそういうことだから、ちゃーんと戸締りして寝るのよ?』
「え、ちょ、お母さ……」
プッ、ツーツー……と機械的な音だけが虚しく聞こえた。
ど、どうしよう……。
今日帰ったら家、一人なんだ。
ご飯はなんとかなるけど、一人は怖いなぁ……。
「瑠衣、なんて?」
先輩に迷惑かけられないもんね。
「な、なんでもありませんよっ」
鍵をしっかり閉めていたら大丈夫だよね、うん……。
「ダメ、言って」
先輩に引き止められる。
うっ、どうしよう……。先輩に言っても大丈夫かな。