「つーか、この賭けどっちが勝ちなんだろうな」
クスッと先輩は、笑った。
そういえば、少し前に先輩が賭けをしよう、って言ってたっけ。
でも、この感じだと……
「私の、負けみたいです」
だって諦められなかったってことは、そういうことを意味している。
「いいや、俺だな。先に手が出たし」
「手……?」
「あーいや。あれは口って言った方がいいな」
それってもしかして、キスのこと……?!
思い出した途端、ぶわっと顔が熱くなる。
「勝手に嫉妬して、瑠衣に嫌な思いさせちゃったよな。悪い」
優しく頭を撫でてくれる先輩。
それに私は、ううんと首を横に振った。
先輩の手は、優しくて私を大切にしてくれる。
たしかに苦い思いはしたけど、先輩からのキスが嫌だったわけではない。
「なぁ、瑠衣」
ゆっくりと腕を緩めると、お互い顔を見合わせる。



