うそっ……。
遠くてしっかりと見えなかったけど、あれは紗倉さんだったの?
「噂のことはよく分かんないけど、俺に彼女いないし付き合ってる子もいない。それにさっきのは妹だし全部、誤解ってこと」
全部……私の誤解。
じゃあほんとに先輩には彼女がいないってこと……?
先輩が嘘ついてるようには見えないし。
「じゃあ、ほんとに先輩に彼女は……」
「うんいない」
きっぱりと断言する先輩。
先輩に彼女がいない……よかった。
私まだ先輩のこと好きなままでいいんだ。
「つーか、さっきのあれなに?」
さっき……あっ、そういえば私、先輩のこと好きって断言しちゃったんだった!
ど、どうしようっ……。
「この前は好きなやつできたって言ってなかったっけ」
ムスッとした声で言われる。
「そ、それは……先輩に彼女ができたって噂を聞いて、それに中庭で女の子と一緒にいるところを見てしまって……」
もちろんあのときは、女の子が紗倉さんだとは気づかなかった。



