「楠木さん、騙しちゃってほんとーにごめんね! でも私……2人には幸せになってもらいたいから」
紗倉さんが突然そんなことを言う。
「紗倉さん…は、一体なにを言って……」
幸せにって……先輩には彼女がいるから、それは無理なことなのに。
「悪い。瑠衣、ちょっと来て」
突然、先輩が私の手を掴む。
「……へ?」
困惑してポカンとしていると、私の手を引いて先輩は歩き出す。
紗倉さんは、花のような笑顔を浮かべて私に手を振っていた。
わけも分からず、連れて行かれた。
そしてやって来た場所は、あの空き教室だった。
どうしてこんなことになったのかな……。
「……」
それなのに先輩はひとこともしゃべらない。
ううっ……。どうしてこんな重たい空気に……。私、耐えられない。
「あ、あの……」
と、声をかけるけど、なにから聞けばいいのか分からなくて口ごもる。
「さっきのマジ?」
すると、口を開いた先輩は、私を見据える。



