「騙してごめんね! でもこうでもしないと楠木さんの気持ちもわからなかったし、お兄ちゃんも動かないと思ったから」
やっぱりお兄ちゃんって言ってる。
じゃあほんとに……恋人同士じゃないの……?
でも、名字が違うよね。
「は? 意味分かんねー」
「あーっ、そんなこと言っていいんだ? せーっかく私が気を利かせてあげたのに……! お兄ちゃん、ずーっと嫌われた嫌われたって──…」
紗倉さんの口に手を覆った先輩。
「おまっ……しゃべりすぎ……」
それを慌てた先輩が阻止する。
えっ……どうしたんだろう?
「ふぁにふぅんの」
「おまえが勝手にしゃべるからだろ」
軽く舌打ちをしたあと、紗倉さんから手を離した先輩。
「お兄ちゃん、さっきの聞いたでしょ。それじゃあ今からどうしなきゃいけないか……もう分かってるんじゃない?」
「……うるせ」
先輩……少ししゃべり方変わったのかな。
それとも元々がこういうしゃべり方?



