……先輩だ。
でも、なんで。どうして……
「瑠衣……と菜々?」
紗倉さんと私を交互に見つめる。
やだっ……うそ、どうして先輩がここに……。
「こんなとこでなにしてんの」
私の隣を通って、紗倉さんの元へ歩み寄る。
今までなら先輩は、いつも私に優しく声をかけてくれたのに……。
「なにって楠木さんとお話し!」
「はぁ?」
どうしよう。どうしよう……。
先輩に会ってしまった。早く逃げなきゃいけないのに、怖くて逃げることもできない。
「そーいうわけでっ、楠木さん、春斗先輩のこと諦めてくれる?」
先輩の腕にぎゅっと抱きついて、私に見せつけてくるようにする紗倉さん。
「え、えっと……」
や、やだな。見たくない。
俯いて、足元に視線を落とす。
「バカ、離れろ」
「えー、いーじゃん!」
すごく仲良しなんだ……。
もう分かったから……そんなに見せつけないで。



