「イヅナちゃん、お疲れ様〜！ゆっくり休んで、一緒に頑張ったご褒美においしいスイーツでも食べましょう！」

「生きてまた会えることができて嬉しいよ。約束、守ってくれてありがとう」

チェルシーとエイモンに優しく言われ、イヅナの涙腺がまた緩む。ギルベルトに借りたハンカチを目元に当て、「ありがとうございます」と何度も二人に言った。

その時、「ねえ！あれ見て！」とアレス騎士団の誰かが叫び、全員が空の方を見上げる。イヅナもハンカチを目元からどけて空を見上げると、そこにはたくさんの妖精たちが飛んでいた。

「この城に住む妖と悪魔を倒してくれてありがとう！」

「感謝を込めて、祝福のギフトを差し上げます」

妖精たちはそう言い、魔法の呪文を唱える。すると青いバラの花びらが降り始めた。それはまるで美しい雨のように、イヅナたちに降ってくる。

「青いバラの花言葉は、「奇跡」「夢かなう」「不可能なことを成し遂げる」「神の祝福」「喝采」。……今の私たちに相応しい花ね」