「ツヤさん……」

眩しいほどの笑顔と言葉に、イヅナの胸が温かくなる。そこへチターゼとアレンがやって来た。

「イヅナさん、お疲れ様。ハーブティー飲む?チェルシーさんたちが用意してくれたんだ」

アレンが湯気の立つカップを持って微笑み、イヅナはお礼を言ってカップを受け取る。こうして生きていられたこと、怪我人は多いが誰一人命を落としていないこと、それらにまた心が揺さぶられて泣いていると、チターゼに呆れたような顔を向けられた。

「お前な、勝ったんだから笑えよ。誰一人死んでないなんて、すごい奇跡なんだから」

「そうですね」

そう返したものの、涙を拭うためのハンカチなどはない。仕方なくイヅナはゴシゴシと手で涙を拭っていく。すると、その手を優しく掴まれて目元に柔らかい布が当てられた。

「ダメだよ、そんなに擦ったら傷ができちゃう。心も体も労って大切にしてあげないと」

ギルベルトに微笑まれ、頭を撫でられる。イヅナが「またハンカチ、洗ってお返しします」と微笑むと、ギルベルトとヴィンセントの頬が赤く染まる。それを見てレオナードたちはニヤリと笑っていた。