「あなたを拘束します」

地面に倒れ、痛がるミツヒデの手を強く掴みながらイヅナは言った。



式神を使ってイヅナがミツヒデを拘束したことを伝えると、他の人たちからも連絡があり、城の中にいた悪魔や妖は全て拘束または殺害したとわかり、イヅナの胸が喜びで溢れる。ついに最終決戦が終わったのだ。

「戦い、終わったのね!」

ベラが涙を浮かべながら笑い、イヅナは「はい!」と言いながらベラに抱き付く。そしてしばらく二人で喜びを噛み締めていた。

「行きましょうか、妖たちは他の人が連行してくれるはずよ」

ベラに言われ、イヅナは拘束された妖たちを見る。彼らがいつ捕らえられ、妖にされたのかはわからない。だが、人としての心を早く取り戻せるようになってほしい、そうイヅナは密かに願った。

イヅナとベラは戦いが大変だったことなどを話しながら、地下の部屋を出て、歩いて行く。目指すは城門の前だ。そこに全員集まっていると式神が教えてくれた。