「え,あっと……」
「次,数学でしょ? 教えてくんない?」
「はっはい」
「敬語,やめて。何回いったら覚えてくれるわけ? 笹原さん別に頭悪くないよね」
そんな嫌みにもどきどきするなんて,私はきっと重症。
また? なんて女子の嫉妬と敵対心のこもった視線をビシビシ感じる。
私が恋に落ちたあの日から,度々声をかけられる。
些細なことでも。
数学で分からないところ,確かに私は教えてあげられる。
だけど,何故,私なのか。
何度考えても分からなくて,緊張で頭がぐるぐるする。
「ん。ありがと」
回らない頭と舌でなんとか答えると,今田くんは満足げに笑って戻っていく。
その瞬間,この教室では時が止まる。
男女構わず短く息を吸って,硬直して,女子が次の瞬間に手を取り合って喜ぶ。
正面から破壊力の高いその笑顔を見た私は硬直したまま。
……きっと,顔が赤い。
「次,数学でしょ? 教えてくんない?」
「はっはい」
「敬語,やめて。何回いったら覚えてくれるわけ? 笹原さん別に頭悪くないよね」
そんな嫌みにもどきどきするなんて,私はきっと重症。
また? なんて女子の嫉妬と敵対心のこもった視線をビシビシ感じる。
私が恋に落ちたあの日から,度々声をかけられる。
些細なことでも。
数学で分からないところ,確かに私は教えてあげられる。
だけど,何故,私なのか。
何度考えても分からなくて,緊張で頭がぐるぐるする。
「ん。ありがと」
回らない頭と舌でなんとか答えると,今田くんは満足げに笑って戻っていく。
その瞬間,この教室では時が止まる。
男女構わず短く息を吸って,硬直して,女子が次の瞬間に手を取り合って喜ぶ。
正面から破壊力の高いその笑顔を見た私は硬直したまま。
……きっと,顔が赤い。



