毒舌な君の,ひどく甘い素顔

途端に興味を失ったような反応をする幸之助くんに少しムッとする。

昨日覗いてたなんて言えないから,幸之助くんも知ってるでしょ何て言えない。



「なに……してるの?」


私が真面目に話しているのに,スマホをいじる幸之助くん。

「んー? 気にしない気にしない」

「今田くんに連絡してるんじゃないよね…?」

「椛? あー違う違う」

「そっか,ならいいや」



私は呆れながらも安心した。



「その今田っての,違和感ありすぎ。避けてんのもバレバレ」



私を見つめる幸之助くんに居たたまれなくなる。



「ま,それを言うのは俺の役目じゃねぇけど」



その言葉をかわぎりに,どたばたと足音が響いたかと思うと

-ガララゴッ 「イッ!? だからイテーよバカ」

「私じゃないよ!!?」



私じゃ……ない。

じゃあ,誰が……

まさか。

振り向いた先にいたのは,今田くんと康平くん。



「幸之助くん!!」

「俺は椛には連絡してないぜ? 康平にしただけだから嘘もついてねぇし……まぁ椛捕まえてこいとは言ったけどな」

「なんでそんなこと……」