「どうだった?」
待っていてくれた趣里の元へ戻り、「来てくれるみたい」と告げる。
「にしては、元気ないね」
「⋯そうかな」
「眉毛下がってる」
そう言われ、ハッと目を大きくさせる。
「柑奈だったらもっと喜んでるはずなのに。何かあったの?」
首を傾げた趣里の肩からハラりと黒髪が流れた。
あたし、趣里に心配かけてる。
その事が嫌で、慌てて笑顔を作った。
「何でもないよ、薫くん来てくれるって言ってたし、趣里も時間に遅れちゃうといけないからもういいよ」
「⋯そう?」
「うん、色々ありがとう」
「じゃあ私行くけど⋯大丈夫なのね?」
趣里の瞳が真っ直ぐに私を貫く。
その瞳はとても綺麗で大好きだけど、こういう時だけは苦手になってしまう。
「大丈夫だよ趣里。ありがとう」
心配かけないようにへにゃりと笑うあたしに趣里は訝しげな表情をしながらも「また明日ね」と言って帰って行った。



