教室に入り、ノートを陸斗に渡せばやっと、陸斗もチョコを渡してくれた。
「感謝しろよ、柑奈」
「⋯何なの、あの人」
猛スピードでノートの内容を自分のほぼ真っ白なノートに書き写していく陸斗を横目にそう趣里に愚痴る。
「柑奈も柑奈で、単純だよ。食べ物に釣られるなんて」
「だってやっぱり、食べてみたかったから⋯」
「まったく、」
「あ、趣里もチョコ食べてみる?」
呆れた様に息を吐いた趣里にそう言えば、「じゃあ一つだけ」と言った趣里の掌にパッケージから取りだした黄色の包装紙一つそこに乗せる。
包装紙を開けて、中のチョコを口に入れた趣里。
「どう?美味しい?」
「⋯うん、思ってたより美味しい」
「!趣里が美味しいっていうなら本当に美味しいんだね」
「なに?その基準」
「だって趣里前に流行ったお菓子食べた時“クソまずい”って言ってたよ」
「うそ」
「本当」
「そんな事言うっけ、私」と呟く趣里だけど、たまーに口悪くなる時あるよと言えば、嫌そうに顔を顰めた。
そんな趣里も、可愛いと思ってしまった私はやっぱり趣里が大好きだ。



