「陸斗、女同士の友情を邪魔しないでよ」
「へーへー、すんませんね。つーかそんな事より柑奈、これ見てみ」
平謝りの陸斗にムッとしていれば、何かを持った陸斗がそれを見せてきて─────。
「あ、それ！新作のチョコじゃん！」
「来る時コンビニ寄ったらたまたまあった」
「えー、いいなぁ⋯」
そのチョコというのは、最近出たチョコのパイナップル味で、他にもストロベリーとかビターとか、ホワイト味などがある中、何故か一番人気らしく、そのパイナップル味だけがなかなか入手出来ないと言われている。
そんな中、まるで見せつけるようにオレンジと黄色でまとめられた長方形のパッケージを目の前に翳す陸斗。
「いいだろ」
「いいなぁ、あたし中々売ってるの見たことないんだよね」
「人気だけど上手いのかね、パイナップル味なんて」
「きっと美味しいよ」
あたしの言葉ににっ、と笑った陸斗は「じゃあさ、」と嫌な予感しかない前置きをした。
