「おはよう柑奈」
「趣里!おはよう」
週明け、下駄箱で一緒に教室まで向かう。
「今日はいい天気だねぇ」
「でも午後から雨らしいよ」
「え、そうなの?」
「天気予報見てないの?」
「今日はチェックしてない⋯し、傘も忘れた」
「馬鹿」と言う趣里はなんというか、薫くん女の子バージョンという感じがして思わずキュンとしてしまう。
薫くんの方が断然黒いけど、何となく雰囲気が似ているのかな、二人は。
薫くんも、趣里も、思わず惹かれてしまう雰囲気を持っているんだ。
「趣里、大好き」
「いきなり脈略もないこと言わないでくれる?ビックリする」
「ごめんね」
「でも、うん。私も柑奈のこと好きだよ」
「⋯っ!」
嗚呼、もう。
なんで趣里ってこんなに可愛いの?
クールビューティなのに不思議ちゃんなところあるし、今だってちょっと照れくさそうに微笑んで⋯もう、あたしの心臓キュッと締め付けられちゃったよ。