「重いってひどい!」

「ズシッときた」

「なっ、や⋯、馬鹿!」



確かに最近ちょーっとだけ太ったけど!

でもわざわざそんな事言うことなくない?

ほんとに薫くんってデリカシーがない。



「薫くんて絶対好きな子いじめてきたタイプだよね」

「別にそんなことないけど」

「うっそだぁ」

「本当」



いや、絶対嘘だよ。

薫くん滅茶苦茶意地悪だもん。


だけどその意地悪があたし限定、だったら⋯なんて想像して嬉しくなってしまうあたしはちょっと頭のネジが緩んじゃっているのかもしれない。



「なにニヤけてんの」

「ちょっと嬉しい想像をしてた」

「⋯そう」



一人微笑むあたしをまるで可哀想なものでも見る様な薫くんの顔に、さすがに表情を引き締めたのは言うまでもない。