ドアを開けるとキッチンに立つ薫くんの姿が。
「薫くん、おはようっ」
トタトタと薫くんの元まで駆け寄ればこっちを一瞥し、「おはよ」と返してくれた薫くんに口角が上がる。
「朝ご飯ありがとう」
「ん」
「あたしが作るべきなのにごめんね」
薫くんとお泊まりするとこうして薫くんが朝食を作ってくれることが当たり前になっている。
デキる男の薫くんはお料理だって出来るからだ。
だけど本来なら、彼女であるあたしが作るべきなんじゃないかって、ちょっと落ち込む。
彼氏より料理が下手くそな彼女ってどうなの?って、情けなくなる。
「柑奈」
ぎゅっ、とパジャマのズボンを握ったあたしの頭上から薫くんの呆れた様な、優しい声がした。
呆れて優しいって訳わかんないけど、確かにその声は温かかったんだ。



