翌朝、カーテンの隙間から差し込む光で目が覚めると、隣には誰もいなかった。
随分前に起きたのだろうか、薫くんの温もりさえもない。
まぁ、本音を言えば朝起きた時に薫くんが隣にいて、「おはよう」なんて言い合ってわちゃわちゃとイチャつきたいけれど、それはあたしがもっと早くに起きればいい話だから薫くんには何も言えない。
だって時計を見れば朝の10時で、明らかにあたしが起きるのが遅い。
でも、あたしは寝ろと言われたらいくらでも寝られる体質のようで、たくさん寝たというのにまだ頭が冴えてこない。
「んーっ、と⋯、」
大きく伸びをして、大きな欠伸をして。
目が覚めるかなと思い、僅かな隙間しかなかったカーテンを勢いよくシャッと開ければ晴れ渡った空と太陽の光の眩しさに思わず目が細くなった。
と、ドアの向こうから香る何やら美味しそうな匂い。
クンクンとまるで動物の様に小鼻を動かせばその匂いの正体がわかった。
香ばしいトーストとバターの匂いだ。
緩む頬。
寝室のドアを勢いよく開けた。



