お風呂から上がった薫くんがペットボトルの水を飲む。のを横目で見る。
嗚呼、かっこいい。
喉仏も横顔も、なんて美しいんだろう。
なんて思いながらもそれを顔には出さず。
「柑奈」
「何ですか」
「これ食べる?」
そう言って薫くんがテーブルの上に置いたのは貝殻の形をしたマドレーヌ。
美味しそう⋯!と一瞬目を輝かせるもその包装はどう見ても手作り感溢れるもので。
「これ、買ったの?」
嫌な予感がしてそう聞いたあたしに薫くんは「いや」と首を横に振った。
「昨日貰った。バイト先の人に」
「バイト、先」
「うん。ちゃんと保存しておけば2、3日は大丈夫っつってたから柑奈食べれば」
「⋯いらない」
「なんで」
なんでって⋯、キュッと胸が締め付けられた。



