「あっ、」 「暑苦しい」 「大丈夫だよ、私手汗はあんまりかかないほうだと⋯思う、し⋯」 「よく手ベタついてるけど」 「それはっ、緊張しちゃって⋯それで、」 「何でもいいけど。手繋がないでね」 「えぇ⋯」 スッと手を伸ばせば同じようにスッと手を避けられてしまう。 せっかくのデートだし手を繋ぎたかったのに。 ゴシゴシ手を拭いても「ヤダ」って言われ、あたしは仕方なく薫くんの隣をただ歩いた。