あたしと薫くんが付き合い始めたのは一年と少し前。


同じ高校の2個上の先輩だった薫くんに入学式の日一目惚れをしてから猛アピールをして、何度も告白をしては振られ、その間にも薫くんに彼女が出来た事はあったけどめげずに告白をして、して、しまくってやっと30回目の薫くんの卒業式の日、OKを貰えたのが始まりだった。



あれから一年とちょっと。

薫くんは大学二年生に、そしてあたしは高校生三年生になったけれど、あたしはまだ未成年。

つまり薫くんの飲み会に行くことは出来ないんだ。




「あたしお酒飲まないよ。ただ薫くんの隣に座っていたいの」

「それでもダメ」

「なんで?大学のお友達でしょ?あたしも挨拶したいよ」

「なんて挨拶すんの?」

「いつも薫くんがお世話になってますって⋯」



あたしがそう言うと、ハッ、と鼻で笑う音が聞こえてきて唇を尖らせた。