「釣り合わないとかお前に言われる筋合いねぇよ」
「あの子薫のこと何も考えてないじゃん、だって私と薫はただの友達だよ?それなのに一人で大騒ぎしてっ⋯」
「お前はただの友達の彼女に牽制したり、嫌な事言ったりすんだ?人のスマホ勝手に弄ってわざとらしく家の前で待って⋯それが行き過ぎだってことわかってねぇのかよ」
自分自身にも責任はある。
でもコイツのしてきた事を考えると今更ながら腹が立ってしょうがない。
コイツのせいで柑奈が泣いた。傷ついた。
そう思ったらボロボロになるまでやり返してやりたいと思うくらい、腸が煮えくり返りそうだ。
「お前の俺に対する感情って一体何なわけ?」
冷めた目をして初音を見れば、困ったように顔を歪めた。
聞かなくてももうわかっている。
もう今じゃ友達とすら思っていないけど、俺がただの友達として初音を見ていても、どちらかが恋情を抱いてしまえばそれはもう友達として成り立たない。
こんな今更ではなく、もっと早く初音の気持ちに気付いていれば。もっと早く片方だけの思いでは友達として成り立たない事に気付いていれば。
「俺はお前のこと何とも思ってないから」
「⋯っ」
「もう二度と話しかけないで欲しいくらい、嫌い」
仮にも好意を抱いてくれている女に、出来るだけ優しく⋯と思わない事もないけど無理だ。
柑奈以外、どうだっていい。



