「初音、話あんだけど」
バイト終わりに初音を呼び出した。
どこで話そうかと迷ったが家に上げる訳にもいかず迷った挙句、帰る方向が同じだった為、その途中にある小さな公園で話をすることにした。
「話って何?最近薫バイト中に必要な事しか話してくれないし嫌だったんだけど」
目の前に立ち、はあ、とため息を零す初音を前にそもそもコイツが引っ掻き回さなければ⋯という怒りもあるが結局こうなってしまったのは自分の責任だとその怒りはぐっと押し込める。
だが、コイツが柑奈にした事は許せることじゃない。
「怖い顔しないでよ⋯なに、あの子に言われて私を切りに来たの?」
「⋯」
「言っておくけど、私は薫の為を思ってるんだよ。あの子は⋯柑奈ちゃんは薫とは合わない」
「⋯それはお前が決めることじゃないだろ」
「⋯っでも!実際あの子は薫のこと全然わかってなかった!薫とあの子じゃ釣り合わないよ!?」
まるで自分が正しい方へと導く良い女気取りで説得するように声を荒らげる初音に、コイツの頭の中はどうなっているのか覗いてやりたくなる。
今まで柑奈にどう言葉をかければいいのか、どう説明すればいいのかばかり考えていて初音という存在そのものを深く考えた事がなかったけれど柑奈を失った今、コイツの思考がどれほどねじ曲がっていたのかがよくわかる。
フィルターが剥がれたように、コイツの真髄が見えてきたような気がする。



